外国人技能実習制度

以前、安全保障の観点から外国人技能実習制度は廃止すべきではないかとの記事を書いた。

日本でテロは起きるか？
http://rasen2511.hatenablog.com/entry/2015/12/07/223923

上記記事は平成26年のデータで3139人の失踪者との産経の記事を元に書いたが、27年は更に悪化しているという読売の記事を見つけた。

外国人実習生、失踪最多５８０３人…監視強化へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160307-OYT1T50091.html

やはり外国人技能実習制度そのものが問題だなと思ったので、一応Wikipediaを見てみた。

技能実習制度
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%80%E8%83%BD%E5%AE%9F%E7%BF%92%E5%88%B6%E5%BA%A6

2015年3月6日に第3次安倍内閣は「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」（法務省・財務省・厚生労働省・国土交通省）を閣議決定。技能実習の受け入れ期間を現行の最長3年から5年に延ばすほか、外国人を低賃金で酷使するなどの不正を防ぐため、受け入れ団体や企業を監視する監督機関「外国人技能実習機構」を新設する。 第189回国会で成立すれば2015年度中の施行を目指す。技能実習生を保護するため、実習生の意思に反した実習の強制や私生活の制限を禁じ、罰則規定を設けた。法施行後5年をめどに状況を確認し、必要があれば法の規定を見直す

一応改善策を考えて入るようだが、受入れ期間を5年に伸ばすという。受け入れ期間を伸ばせば失踪者が増えるだけじゃないのかと思うのだが。ただしこの法案、まだ成立していないようだ。衆議院のサイトを見ると"閉会中審査"となっている。是非廃案になってほしいものだ。

議案審議経過情報
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DBD666.htm

次に実態が知りたかったので厚生労働省のサイトを見てみた。

技能実習生のデータ
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000108156.pdf

技能実習生の労働条件確保のための監督指導及び送検の状況
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000035v78-att/2r98520000035v8p_1_6.pdf

平成26年のデータだが、167,641人の実習生が居てそのうち約6割が中国からという。安全保障上の問題が・・・と言いたいが今回はそれは置いておくとして、"監督指導及び送検の状況"の方が酷いことが書かれている。この中の事例1から引用しよう。

事業主は「残業はない」などと繰り返し主張していたが、技能実習生から得た聴取内容と異なること、残業単価を事業主に確認した際に「900いくら」と曖昧な回答であったことなどを追求した結果、基本給が５万円、時間外労働の割増賃金の時間単価が１年目350円、２年目400円、３年目500円であったほか、事業主は、隠していた直近の残業時間のメモを示し、技能実習生に違法な時間外労働を行わせていたことを認めた

勿論これは極端な例であり、こんな事業所ばかりではないと思う。しかし、労働基準監督署もこの実習制度を活用しているすべての事業所を調べたわけではないだろうし、他にもこのような酷い例があるのではないかと推測せざるを得ない。こんなことを続けていけば日本の国際的評判を落とすだけである。日本に来る実習生にも日本にも不幸しかもたらさないこんな制度は即刻廃止すべきと思う。