"リベラル"ってなんだろう?
"リベラル"という言葉は"自由主義"と訳される。しかし一般的には左派のことを指して使われている。左派といえば社会主義に近い人達の事だ。社会主義といえばどちらかというと自由主義に反する考えのような気がして疑問に思っていた。
荻上チキ氏のラジオ番組を書き起こした記事に"リベラル"の話が出てくる。
本当に“リベラル”な経済政策とは?――消費増税の議論から考える
片岡剛士×松尾匡×荻上チキ
http://synodos.jp/economy/16792
この記事、本題の経済政策の話もとても興味深いのだが今回は"リベラル"に関する議論のところだけまとめてみる。どうも各国で使い方が違うようだ。
アメリカ
アメリカ民主党的中道左派。政府による再配分を重視する。
ヨーロッパ
経済自由主義、資本主義肯定の考え。
日本
左派系をひとまとめにして"リベラル"と呼ぶ。
アメリカとヨーロッパでは真逆になる。日本の使い方が一番イージーと言うかいい加減と言うか(笑)。
これを踏まえた上でWkipediaの"リベラル"の項目を見てみた。
自由主義
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1%E4%B8%BB%E7%BE%A9
古典的な自由主義では"神の見えざる手"的な発想で政府による介入を嫌い、個々人の自由にさせるべきという考え方だったようだ。しかし、それでは貧富の差や社会的な差別により真の自由は獲得できないとして、政府による再配分などの介入を積極的に行う必要があるという考えが出てきた。これをソーシャルリベラリズムという。アメリカで"リベラリズム"という場合はこのソーシャルリベラリズムを指すようだ。
では日本ではどうかというと "日本では革新主義が「リベラル」と呼称されることが多い" とある。では"革新主義"とはなにか?
革新主義
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%A9%E6%96%B0%E4%B8%BB%E7%BE%A9
大事なところを引用しよう。
広い意味では、改革主義、急進主義、共産主義、社会主義、社会民主主義、進歩主義、ナチズム、ファシズム、民主主義、リベラリズムなどを含む。この意味では、自由主義、保守主義などと対置されることがある。
革新主義と自由主義(リベラリズム)は対立概念であるのに、革新主義の意味で"リベラル"という言葉を使っているのだ。日本では。
広い意味では"リベラリズムなどを含む"とあるので間違いじゃないのだろうが(多分この場合はソーシャルリベラリズムのことだろう)、最初に挙げた私の疑問もあながちおかしなものではなかったようだ。